Vol.2 ソーシャルCRMとは何か!?|Webで読むトライコーンやわらかカレッジ

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Webで読む トライコーンやわらかカレッジ Vol.2 スタート!



花戸
みなさま、こんにちは。
今回のテーマは「ソーシャルCRMとは何か!?」です。
これは、ソーシャルメディア時代にどうやってお客様との関係を
築いていくかというアメリカの造語です。

まずはこのテーマに関する概念的なお話を、
この分野の第一人者でもある野村総研の亀津様からお話いただき、
次に実践的な側面を「コレカモネット」で知られる東急ハンズの本田様から
お話しいただこうと思っています。

また、最後には会場の皆さんとのディスカッションもありますので、
短い時間ではありますが、いっしょに勉強しましょう。


ということで、さっそく第1部に参りたいと思います。
亀津様、よろしくお願いします!

(会場拍手)

亀津
こんにちは。野村総合研究所の亀津と申します。
私からは、「ソーシャルCRM」の中でも、特にCRMのほうに力点を置いて
お話させていただきたいと思います。


その理由は何かと言いますと、
今年に入ってフェイスブックを題材にした映画『ソーシャルネットワーク』が
話題になり、同時にソーシャルメディア関連の書籍もたくさん出版されて、
世間の注目度を浴びています。

ただし、これらからは企業という観点があまり見えてこないんですね。
現象としてのソーシャルメディア、あるいはネット社会がどう変わるか、
という大きな捉えられ方をしているのが現状ではないかと思います。

ですので、本日は企業からの視点、組織としてソーシャルメディアを
どう使っていくか、についてお話をしたいと思っております。

ソーシャルメディアは昨年あたりから急激に拡大しています。
ツイッターが公式に発表しているデータによると、
昨年の段階でワールドワイドで1日約5000万ツイートを達成、
昨年末には利用者が1億人を超えたと聞いております。

フェイスブックに関しては、
映画でも「利用者5億人」というワードが出ていましたが、
おそらく今年の1月か2月には6億人を超えるんじゃないかという
観測も出ています。
フェイスブックの日本法人の社長も先日
「大きな目標としては日本でも2、3年後に5000万人のユーザーを目指す」
というお話をされていました。

ただし、企業にとっての問題は、ソーシャルメディアと消費行動を
どのように結びつけるかだと思います。その成功例として、
アメリカでこんな話がありました。

お子さんが高校生になったタイミングで、
お父さんが「自動車保険に入りなさい」と、
自分が契約をしている保険代理店の名刺を渡したそうなんですね。
でも、デジタルネイティブ世代のお子さんは
「そんな面倒くさいことやってられないよ」と言いながら
スマートフォンを取り出して、フェイスブックに
「自動車保険に入らないといけないんだけど」と書きました。

そうすると、すぐにいろんな代理店の担当者から
「ウチの保険はどうですか?」というオファーが来たそうなんです。
お子さんは、その中で良さそうなオファーを選んで、
フェイスブック上のチャットで手続き方法を聞きながら、
仮申込状をプリントアウト。これがすでに保険証の役割を果たしているので、
それを持って颯爽と家の車に乗って出かけていったそうです。
その間、20分とか30分。

保険業界に携わっていたお父さんは2つの観点から、
非常に衝撃を受けたといいます。ひとつはスピード。
もうひとつは、販売機会の開拓というチャンス。

そして、ここが本日のお話もキモなんですが、
ソーシャルメディア時代がこれまでと最も違う点は、
ひとことで言えば「データのオープン化」です。
ツイッターではユーザーが、いま誰とどこにいて何をしているか、
という情報を外部から取れます。企業はこういう情報をダイレクトに取得して
活用できるんですね。

今まで、マーケティングワードの中心は顧客でしたが、
ここにまだ関係を結んでいない消費者も含まれるようになります。
これが、ソーシャルメディア時代のCRMモデルの変化です。

では、企業はソーシャルメディアをどう使えばいいのか。
最初はモニタリングで、これは日本でも始まっています。
フェイスブックやツイッター上で、
自社の社名や商品名が何件ぐらい話題になったか、
どう言われているかをチェックする。
アメリカでは「Listening Platform service」といわれている、
消費者の声に耳を傾ける作業です。

次に、カスタマーサービス。
具体的には、お客さんの相談や苦情に対応する行為。
ベストバイというアメリカの家電小売店は、2100人のボランティア従業員が、
空き時間を使ってツイッターの公式アカウントに寄せられた
相談や苦情に回答して話題になっています。

最後に、セールスの最適化。
ツイッターなどである商品への関心が高まってきたら、
自社のウェブサイトにその話題の商品を出す。
とくに面白いことをやる必要は必ずしもありません。
クロスメディアで最適化することが必要です。

今後のソーシャルメディア進化は、今年でいうとツイッターの黎明期、
フェイスブックの拡大が非常に大きい。
まだまだソーシャルメディアのサービスそのものが拡大していく時期は
続くと思います。

今後、ソーシャルメディアでは位置情報が入ってきたりとか、
いろんな機能の追加などが続くはずです。
それによって、ユーザー属性データの種類も量も増える。
それを上手に使って口コミを分析し、サポートの技を磨いて、
そのうえでメールやウェブなどを含めた
既存チャンネルを統合したキャンペーン、
リード管理などを考えていけばいいんじゃないかなと思います。

(会場拍手)

花戸
亀津さま、ありがとうございました!
普段から、「フェイスブックやツイッターって企業はどう活用すればいいの?」
と聞かれて言葉に詰まることが多いんですが、
今回の講演ではその答えが凝縮されていたと思いました。

―休憩―